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――そこに、オトウトの姿はなかった。
「……っ、ママ! あいつが、ついてきてないっ!」
「えっ、そんな!」
走りながら前を行くママに告げると、動揺した声で走りながらママは振り向き、青ざめる。
どうしよう。どうしよう。やばいやばいやばい。あいつはまだ小さいんだ。あいつだけで逃げられるとは思えない。
「うわっ!」
まずい。考え事してたせいで転んだ。この間にもあいつが、近くまで来ているかもしれないのに。早く立たないと。早く動けよ、足!
『やっと見つけた』
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