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何を願ったら面白いかと、頭をひねる私の脳裏に自然とさっき食べ損ねた夕食のハンバーグが思い浮かんだ。
「ハンバーグ!」
思ったよりも大きな声で叫んだ私は、誰もいない部屋の端っこで一人きりであることをわざとらしく確かめながら、何となく恥ずかしそうに身体を竦めた。すると……
「わっ ほんとに出たよ、なんで、どうなってるの?」
ベッドの横のテーブルに、白いお皿に盛り付けられたハンバーグとキャベツの千切りが音もなく現れた。
「えーまじか、どうして? どうなってるの? ……いただきます」
空腹だった私は、疑問を追求するよりも先に、まずは出てきたハンバーグを平らげてしまった。思い浮かべたのが食卓に並ぶいつものハンバーグのイメージだったせいか、それは母の作るハンバーグと全く同じ味がした。
「あー美味しかった。気分もなんだかすっきりしたな」
理由はともかく、もやもやとした気持ちが改善されて、私はこのアプリをちょっとだけ気に入った。やっぱりご飯は美味しいのがいいね。
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