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「そうだ、お肉だけだとバランス良くないから、お米? ピラフなんてどう? ……ピラフ! コーンスープ! フライドポテト!」
矢継ぎ早の注文にも『実在化アプリ』は文句ひとつなく即応して、部屋の小さなテーブルは食べ物でいっぱいになった。
「わーい。やったあ、いただきまーす」
いつもとあまり変わりばえのしないメニューを食べ終えて、満腹になった私は食後の紅茶を飲んで、そこでようやく後悔した。
「実在化、ねえ。他に何が出来るのかしら」
思えば、もっと普段食べられないようなものだって出せたのかも知れないのだ。
「よし、じゃあ今度は、もっと凄いものを実在化しないと…… それと、ひとりもちょっと寂しいな」
先ほどまでの私とは違う、遠くを見据えた観点が必要だ。
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