第一章 メイド編

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 そうか、そうなのか…俺の他に花嫁候補が居たんだ。うんそうだよ、考えて見れば国一番の名家である園城家だもの、一人や二人、いや実はもっと花嫁候補が居て当たり前なんだ。  それにメイドに紛れ込むなんて敵情視察には効果てき面って感じ?  うっわ、めちゃくちゃ頭脳戦だな。俺は成り行きでメイドになったけどこれはコレでアリなんだ…はぁぁぁ出遅れないで良かった!    あぶねぇ、母さんにシバかれるところだった。  それに保険っていうか、御曹司は3人いたって話だし……その御曹司はどこですか?  むーんむーんと唸っていた俺を美人メイドは手を繋ぎ一緒に屋敷内を散策している。  何故、手を繋ぐんですかと内心どっきどっき心臓を鳴らしながら聞いた。細くて長めの綺麗な手は案外ごつごつしてる……男って本当なのか。 「迷子になったら困るよね?お互いに」  そ、そりゃそうか。  勝手に新人二人で見回ってもいいのかな?……というか、凄いと言う言葉しか出てこない次元のお屋敷、いや世界だった。  そもそもお屋敷内が洋風なのか、和風なのか、それとも中華なのかごちゃまぜ感はあるけど素敵な空間に整っている。もはや構想は未来的な遺跡……凡人の感想はこれが精いっぱいだった。  家の中に巨大な遺跡のような白い岩が普通にあって轟音を響かせて滝が流れている  清涼で気持ちが良いけど滝だよ?岩だよ?
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