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『おかえりなさいませ。そして、申し訳ございません、理玖お坊ちゃまーー!!』
俺も含めてズラーっと別荘中のメイドやボーイが左右に整列すると、この別荘の当主という長男さんに頭を下げた。
少し顔を掲げたらまだ皆は下げていて、それもお辞儀が45度の角度で均等に整っていたのでビビった。
「いや……おれの姿に問題があるようだったらしいから構わないけど、さすがに25の男に坊ちゃんはヤメてほしいんだけどな」
「否!理玖様はいつまでも当家のお坊ちゃんですよ、よくお戻りになりましたね、峰は嬉しゅうございます」
「ハハ、峰さんに言われると弱いな……峰さんも古希を過ぎても元気だね、それに女装が染みついてプロの域だよ」
ん、女装?
「女装だなんて嫌ですよ、私はオメガ60年、若き時からこの姿でメイド頭、今は大頭をしておりますんですよ。この峰、坊ちゃんのお子を拝むまでは長生きをしたいと思っております。なんて言ったって坊ちゃんたちのオムツを―「あー、もう良いから、峰さん……っ」…少々出過ぎた真似をしましたか」
そ、そっか。峰さんもオメガなんだ……凄いな60年メイド服で仕事を熟してるなんて。
かいちゃんに「峰さんって凄いね、俺たちの大先輩だよ」と、同調して貰おうと声を掛けたら別のメイドの人に代わっていてめっちゃ吃驚してつい愛想笑いで誤魔化した。
かいちゃ~んどこ行った~と思ったら、俺が拭いていた巨大高級壺の横でスタンバってた!俺に気が付いたのかピースサインをしてくれた。
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