プロローグ

5/5
前へ
/193ページ
次へ
「それでねそれでね!」  母さんがまるで嫁ぐみたいに大はしゃぎしてる。  その訳は、国一番の玉の輿になれるとお墨付きの御曹司を見つけたからだ。  園城家(おんじょう)――という名家は俺でも聞いたことのある有名な名家で、公家だかヨーロッパ大貴族の混血等の血統があって政治家や実業家、各界を多く輩出してる華人だ。 「理玖(りく)さん、夏威(かい)さん、宮雨(くう)さんの三兄弟のどなたかに見初められて嫁ぐのよ、金の左団扇よ!!」  まさかの三択!?  っていうか怖いよ、そんな大名家に嫁ぐなんて――!もう少し年収300に恥じないαの子息は居なかったのだろうか……って、やっぱり本当に結婚しなくちゃいけないんだ……Ωの運命に逆らえないんだ。  命短しΩ、恋せよオメガ――  それから俺はというと、学校の帰りに病院で『ある検査』を強要された。  今、薄ピンク色の長椅子に座って下半身モロ出しで待機中だ……。  園城家からのお達しで『処女穴』を調べよと云うのだ。  羞恥心しかないこれは凌辱に近い行為だと思うんだ。  なんで処女膜じゃなくてアナ……そっか男だもんなぁ。  息を吸ってくださーい、すー、吐いてくださーい、ふーと看護師さんにいろいろと指示をされて、変な金属器具をケツに挿入されると飛び上がるほど吃驚した。  もう、やだ……。
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1709人が本棚に入れています
本棚に追加