瑠璃色の月

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瑠璃色の月

月見る月は誰見る月。 自分が見ている月は 何処かで誰かが夜空を見上げて 同じ月を見ている。 諸人が1つの月を見上げて 1つだけの月が その諸人を見下ろす。 同じ時間に月を見ようと 約束する2人もいることだろう。 知らない誰かが自分と同じ時に 見ていることだってあるはずだ。 月だけが その目撃者だ。 だが月は見ているだけで 観られている事情は 露ほども知らない筈だ。 月よ、お前は、いや君は 衛星だから僕達の上を 周り続けてくれているのか。 それとも守護として 周り続けてくれているのか。 君の名は? ………………瑠璃。 今、僕が見ている青紫色の月を 時を同じくして見ている 誰かがいたとしたら お互いを知らぬ2つの物語。
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