限りなく透明な心

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「 私、妊娠してると思います。物凄く具合が悪いんです。多分この日です。調べてもらえませんか?」 最初は風邪をひいたのかと思って風邪薬を危うく飲むところだった。 ( 違う!) と、気がついて本当に良かった。 「 私は何十年も産婦人科医をしてますけどね、そんな人いませんよ。妊娠に1ヶ月で気がつくなんてそんなこと。聞いた事が無い。普通は3ヶ月でも早いくらいですよ。まさかそんな馬鹿な。まぁせっかく来たから検査しますか?」 富士子のペタンコなお腹にゼリーみたいな物を塗って先生はエコーの検査をしてくれた。しばらく画面を見ていたが、 「 まさか、あーある!本当に妊娠してる。凄い凄い。こんな事初めてだ。ホラ。」 富士子の子宮のエコーの写真を先生はくださった。1センチにも満たないイビツな円が子宮の中にある。 「ちょうどいい場所に着床してますね。バッチリです。先生すみませんでした。先生のおっしゃる事を疑ったりして申し訳ありません。」
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