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腕に負担がかかると新しい骨の形成を阻害
する要因にもなるとか何だかかんだか
長ったらしく英明は退屈な
医者の説明もうんざりしていた
激戦区で長らく任務に
ついていた兵士は銃に撃たれた傷など
なんとも思わないように出来ている
しかし夕べは銃弾をうけた骨がずきずきと痛んで眠れなかった
こんな状態ではとてもではないが
男の威厳を保てないとんだ体たらくだ
ええい!いまいましいっっ!
撃たれた時の事を
思い出すたび英明はギリリと奥歯を噛んだ
「ほら!
気分転換になにか楽しいことを
考えましょうよ 」
みゆきが言った荒々しく
負のオーラをまとっている
彼の機嫌なんとかをとる
本当に彼が心配だ
銃に撃たれた傷を負った人に出会った
事はないが後遺症などもあるはずだ
できるだけ彼にはここで
安静にしてもらわなければならない
「ものすごく楽しいことならすぐに
思いつく 」
彼が鋼を思わせる視線でこちらを見ている
まるで手負いの猛獣だ
みゆきはどこか落ち着かなくなった
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