蛇足の断り

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■□▪▫■□▫▪■□▪▫■ 存分に甘やかすような抱かれ方は苦手だ。 「もっと、腰、落とせる、か」 「ひぃ、ぁ……んっ……ふ、深いっ……や、だぁ……っ」 ベッドに腰掛けた彼の膝を跨ぎ、向かい合うように乗り上げる。これが対面座位、というのだと余計な知識を囁かれる。 「大丈夫、大丈夫」 「だ、だいじょ、ぶ……じゃ、な、ぁい……ッ」 すっかり痛み無く受け入れてしまうようになったそこは早くも快感を引き出そうとしてきて、歯噛みしながら耐えるしかない。 「なぁ。赤ん坊産まれたら、乳、出るのか?」 「!? な、何を、馬鹿な……っ、ひ、ぐぅ……ッ!」 声を荒らげた振動で、さらに深くなったそれに悲鳴を上げれば。彼の舌が涙の浮かんでいるであろう目尻を舐める。 上がる息と熱を抑えられず、ジリジリと焼かれる感覚に身悶えしそうだ。 「も、もう……いい、からっ……」 動いて、なんて言いたくない。でもきっと卑しくも縋るような顔をしていたのだろう。 薄く笑った彼の手がオレの身体を撫でて、腰に……。 「アっ! こ、このッ……なにをしやがる!」 胸の突起を強く摘まれて、上げた声に内心半泣きになりながらもその不埒な手を叩き落とそうと躍起になれば。 「あァっ……ん、やめっ、離せ、ば、馬鹿っ」 手を押さえられ、深く埋め込まれた箇所は熱を帯び続ける。その上、胸をべろりと舐めあげられて変な声が出ちまう。 「練習しとくか」 「っ……なん、の!?」 「授乳」 「はぁ、ぁぁ!?」 また訳の分からないことを言い出した変態狼が、なおもざらついた舌で胸を舐め続ける。 さらに突起を転がしたり強く吸い上げたり、しまいには甘噛みなんてするものだから、女みたいな嬌声が止まらない。 「ふむ。これはいかんな」 「ん、ぁ……っ、な、に……」 暫くやっていたが、しかめっ面で顔を上げた彼が小さくこぼした。 「授乳が卑猥過ぎる。ミルク育児にするか」 「こ、この……!」 オレは渾身の力を腹筋に込める。 痛いだろう。お互いに。いや、むしろオレの方が。 下品な話だが、繋がった箇所の感覚で心折れそうだ。 しかしオレはやらなければならない。何を犠牲にしても、男にはそんな場面もあると思うからだ。 「馬鹿狼がァァァッ!!」 ―――そう叫んで、鉄面皮のむっつりスケベ面に頭突きをお見舞いした。
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