酒と魔物

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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇  酒造りも何ヶ月なったべ。  農作業()ながら毎週毎週新()ぐ酒っこ造り()て過ご()てらったなひゃ。  何十回って失敗すて、それでも諦め切れねくてまだ造る。  噛んでは吐ぎ出()て発酵させる。  毎週同じ事繰り返()た。  そんた日々を送ってだんだのも、村もずっと平和なわげでもね。  村の近くさゴブリンっちゅー魔物の群れが住み着いだんだど。  たまーに畑の野菜どご食われるだげで、人の被害は出でねがったんだけどよぉ。  ()ばらぐ()たっけ村の方さ集団で襲って来たなしゃ。  オラの酒造りの味見の日。 「きゃあぁぁぁあ!!」 「うわぁぁあ!! 皆んな逃げろぉお!!」  村の外れの方さ住んでだ人達が逃げで来た。  オラのどさ(とこに)聞ごえでくるまで()ばらぐ掛がるがら、気付ぐなさ遅ぐなったなしゃ。  オラは皆んなどご()守るどって(として)クワ持って走って行った。  皆んな()て逃げで来る方ど反対側さ向がえばいるべど(いるだろうと)思ってな。
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