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01
燃え上がる大地。
赤く染まる夜空。
男の腕が、剣を持つ人間の胸を貫いた。
血を吐き出した人間は、男が腕を引き抜くと力なく大地に倒れる。
それが始まりの合図だった。
男は、次々と人間を襲った。
全身に鎧をまとった人間は、後ろから抱きかかえて蒸し焼きにした。
銃を構えた人間は、足を焼いて動けなくしてから頭を叩き潰した。
杖を掲げ魔法を使おうとした人間は、頭をわしづかみにして持ち上げ、そのまま手のひらの熱で焼き殺した。
四人の人間を殺し終えると、立っている命は男だけになった。
男は、真っ赤に燃える自分の手のひらを見つめた。
気がつくと男の周囲は、人間の死体で埋め尽くされていた。
見つめていた手を下ろし、男はゆっくりと歩き始める。
その歩みはやがて駆け足になり、すぐに全力疾走に変わった。
まるでここから逃げ出したいかのような、必死の形相だった。
しかし大地はどこまでも死体で埋まっている。
人間だったものを踏みつけて、そのたびに感じる肉の感触。
むせ返るような血と焼けたにおい。
走っても走っても、眼差しは消えない。
やがて男は、悲痛な叫び声を上げた。
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