⁑ ないものねだり ⁑

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⁑ ないものねだり ⁑

 学校に行かなくても、正義くんは来る訳で。 知りたくない事も、知る訳で。 「え?今、なんて」 勉強が遅れるからと、正義くんとノートを取りながら、 勉強会をしてると彼が言った。 「友美ちゃんから、聞いたんだ。優也君、好きな子が居るって」 ニコリと笑う、正義くん。 好きな子って、誰・・・? 胸をざわつく想い。 どうしたの?どこか分からないの?と教科書を開く、正義くん。 心が、ザワザワいってる。 嘘?優也が・・ ううん、もう終わったんだ。私が終わらせたんだ。 優也が、誰を好きになろうと、知った事じゃない。 大嫌いって、私が言ったんだもん。 私から突き放して、私が正義くんと付き合ってんだもん。 何を、今更(いまさら)・・。 そう思っても、胸のざわめきは収まらない訳で。
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