29人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
⁑ ないものねだり ⁑
学校に行かなくても、正義くんは来る訳で。
知りたくない事も、知る訳で。
「え?今、なんて」
勉強が遅れるからと、正義くんとノートを取りながら、
勉強会をしてると彼が言った。
「友美ちゃんから、聞いたんだ。優也君、好きな子が居るって」
ニコリと笑う、正義くん。
好きな子って、誰・・・?
胸をざわつく想い。
どうしたの?どこか分からないの?と教科書を開く、正義くん。
心が、ザワザワいってる。
嘘?優也が・・
ううん、もう終わったんだ。私が終わらせたんだ。
優也が、誰を好きになろうと、知った事じゃない。
大嫌いって、私が言ったんだもん。
私から突き放して、私が正義くんと付き合ってんだもん。
何を、今更・・。
そう思っても、胸のざわめきは収まらない訳で。
最初のコメントを投稿しよう!