見習い死神と不運な俺

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 周囲はとても白いなと思っていたが、そこが病院だと理解する。そして、横には浜田の姿も。 「あ、あれ」 「私のミスと、あなたがくれたタピオカミルクティーの結果です」 「はあ?」  意味が解らない。が、取り敢えず、二人とも死ぬという運命を回避したらしい。 「ええ。運命が書き換えられました。あなたには、そういう別の能力もあるのだとも発覚しました。あなたは死の瞬間を克明に予告することができ、それを回避することが出来るんです。とはいえ、今回死ななかったのは、タピオカミルクティーが功徳として加算されたせいですけど」 「えっと」 「よって、あなたは黄泉から要警戒対象とされ、これからは、あなたも死神となるんです」 「は?」  ちょっと待てと起き上がると、身体中が痛い。ああ、まったくもう、本当に生きているようだ。しかし、死神だって。 「ええ。ただ、特殊な死神。私と組んで、回避できる死がないかを探る」 「――」  ええっと、つまりあの気持ち悪い場面をこれから何度も見なければならないと。そういうことか。 「はい、受け入れられない場合は、このまま死んでいただくことに」 「げっ」  逃げ道は、どうやらないらしい。たまたま浜田の死の予定を知り、それを救おうとした結果がこれとは。俺は不運としかいいようがない。 「それって、いつまで」 「死してもなお。その先まで」  ああ、最悪。人生まだまだ青春の真っ最中なのに、死後も永久就職か。最悪だ。でも、そんな人生も悪くないのか。いや、やっぱり最悪か。 「俺って、運がないんだよな」 「それもたぶん、あなたの秘められた能力のせいでしょう」  牡丹に笑顔で言い切られ、俺は脱力するしかない。が、こうしてこうやって出会ったことこそ、大きな運命の転換点だったというわけだった。
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