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タピオカミルクティーを飲みながら歩く男子高校生。それほど珍しくない光景だろう。なのに、どうして俺は謎の少女に凝視されているのか。
「――」
「――」
しかもその少女、真っ黒なローブを着て黒いフードを被って、ハロウィンはもう終わりましたよと(現在11月)言いたい状況だった。まるでハリーポッターのよう。
しかもその少女、なかなか愛らしい顔をしている。髪はおさげで長く、中学生くらいだろうか。そして、その子は俺のタピオカミルクティーを熱心に見つめている。
「これ、欲しいの?」
「ひゃっ」
あんまりにも見つめられるので、そう声を掛けてみた。しかし驚かれる。ううん、どうした?
「あの、私が見えるんですか?」
「ああ、ごめん。そういう設定?」
「――違います。私、死神なんです」
「――」
「――」
俺、関わっちゃいけない奴に関わったのか。そう思ったが、ぎゅっと少女にカバンを掴まれる。
「深川雅也、でしょ?」
「そ、そうだけど」
さらっと名前を呼ばれ、あれ、どうしてと俺は固まる。すると、少女は見た目に似合わぬにやりという笑顔を浮かべた。
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