第三章 深夜バス 三

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 本村が、どういう仕組みなのか、空中にこの家の図を出してくれた。それは防犯用であったのか、人間を関知していて、赤い点と青い点にしていた。俺が動いてみると、赤い点が移動したので、俺は赤い点らしい。 「俺は青、要注意人物は赤、来客は緑……」  どうして俺が赤なのであろう。俺がベッドから飛び降りると、赤は大きくなって点滅していた。 「脱走?」 「……脱走しているの?」  俺は頷きながらも、ベッドに戻ると毛布を持った。すると、赤は小さくなり、アイスブルーになった。  この家の作りは暗記したし、この防犯映像の出し方も憶えた。確認したい事もあったが、凄く眠くて、目を開けていられない。 「おやすみ、夏目」 「本村、おやすみ」  あれこれ、考える事があったのだが、俺は眠ってしまっていた。
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