第四章 深夜バス 四

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「モリスは何でも屋だけど、まあ、仕事は誘拐か殺ししかない……」  モリスの弟は、金の受け取りを担当していて、桂川でも想像がつかないほどの、金の面での凄腕であった。桂川では、どこに資産を隠していて、どのように運用しているのか、全く掴めないという。だが、一族は莫大な資産を持っているとされていて、その生活は謎であった。 「モリスの弟の、イデアも、性欲が強いために相手を潰すタイプです。だから、金の管理をする報酬は、いくら抱いても壊れない虎牙だったようです」  虎牙は、周期的にイデアの元に行き、一週間ほど滞在する。イデアは絶倫で、二日はヤリ続けたままでいられる。虎牙は、気を失っても、尻の締め付けや扇動はそのままなので、イデアを満足させていた。 「更に、仕事の請負をしている、モリスの義兄も、報酬は虎牙でしたよ」  モリスには、年の離れた姉も二人いて、その夫が仕事を請け負っていた。モリスは仕事を斡旋され、その斡旋料として虎牙が抱かれていた。 「モリスにとって、虎牙は重要な持ち物でもあったのか」
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