第二章 深夜バス 二

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第二章 深夜バス 二

 俺は、第九公安部に行ったが、追い出され仕方なく本村の家に帰った。 「本村、家を買ったのか……」 「夏目の家でもあるけどね。夏目は、全然、帰って来ないからな」  本村はマンションを売り払い、一軒家を購入した。その家は、外見上は、平屋の一階建てであったが、地下にも部屋がある。 「俺の家ではないでしょう。本村の家だ」  中に入ると、一般的な家の作りに見えるが、複雑に入り組んでいた。 「おかえり、夏目」  俺は、殆どが学校の寮にいるので、この家には初めて来た。ここのところ、寮と公安との往復で、家に帰っている時間がなかったのだ。  俺は本村から部屋の説明を受けると、面倒なので設計図を暗記しておいた。これで、抜け道や隠し金庫の位置も把握できる。
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