道で拾ったお兄さんが人外者だった事の顛末について【差分】

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 リビングのソファで、秀一はこれまで医師にしか話さなかったことを語った。  いや、医師に話すより赤裸々に、鬱病の要因と思われることを打ち明けた。 「母のことも原因だと思うんですけど、会社で嫌な目に遭ってて。係長なんですけど」  秀一は、執拗にパワハラを続ける係長の存在に苦しめられていた。 『夏目くん。それ、この前も言ったよねぇ?』 『そんなこと私は聞いてないよ! 夏目くん!』 『結局、今日は何も終わってないの? 夏目くん』 「僕が教えてもらってない仕事内容を、もう確認済みって言い張ったり」 「うん」 「僕が事前に報告したことは、メモも取らないで忘れたり」 「うんうん」 「係長からの雑用で進まなかった仕事の進捗に、嫌味を言ったり」 「うん~」  僕、もうボロボロなんです、と秀一は涙を流した。
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