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慶は、ただ頷いて秀一の話を聞いてくれた。
意見やアドバイスは、全くなかった。
いや、秀一も、そんなものは望んではいなかった。
ただ、聞いてくれる人が傍にいる。
それだけで、ひどく安らいだ。
いつの間にか、肩にもたれて眠ってしまった秀一の髪を、慶は撫でてやった。
「秀一くん、頑張ったんだね。頑張り過ぎて、疲れちゃったんだね……」
こんな俺が、彼の力になれるんだろうか。
そう考えながら、髪を撫でていた。
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