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「次、行こう。次!」
「飲み過ぎですよ」
足取りのおぼつかない係長に肩を貸し、秀一は人目を盗んで路地に入り込んだ。
壁にもたれ、ずるずると座り込む係長の様子を、注意深く伺う。
ぐうぐうと、低いいびきが。
チャンスだ。
秀一は、緩んだ係長のネクタイをさらに緩め、シャツのボタンを上から3つ外した。
(何だか、汚いなぁ)
仕方ない、これも世のため僕のため。
秀一は、思い切って係長の首筋に歯を当てた。
口中に流れ込んでくるのは、酒臭いどろりとした血液。
(あんまり美味しくないな)
眉をしかめ、時が過ぎるのを待った。
まだ、吸血鬼初心者なのだ。
ゆっくりとしか、採血できない。
ずるりと係長の体が壁から落ちるのを見計らって、秀一は彼から離れた。
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