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風呂上がりの惠は、眼を見張るほど変わって見えた。
無精髭はサッパリと剃られ、日に焼けた顔色が良く見える。
伸ばしっぱなしの癖のある洗い髪をざっくりと手櫛でオールバックに整えていると、何だか品が良く見える。
「あぁ、気持ちよかった!」
風呂まで貸してもらって、ありがとう。
頭を下げる、慶。
これで何度目のありがとう、だろうか。
きっと、この後もこの言葉を聞くことになるだろうが。
「疲れてるだろうから、もう寝てください。寝室、こっちです」
「いやいや、ソファで充分だよ」
何度か押し問答をした挙句、慶は折れた。
「じゃあ、お言葉に甘えて。ありがとう、秀一くん」
「どういたしまして」
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