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「…他の男に触らせるな」 ジロリと熱い瞳に睨まれてーー咲は震えた。 「っ…ごめんなさい…」 「お前も、二度は許さない」 「…」 咲が震えて下を向くと、今度はふわりと抱きしめられた。 「…咲」 月島先輩の声が優しくなった。 「俺を妬かすな…」 ーーあ… 妬いて…くれた…? 咲はカアッと赤くなった。 月島先輩と密着して、手をどこに持って行っていいかわからなくて、咲は、棒立ちのまま。 「瑞穂に、ちゃんと言ってきた。もうお前とは別れてるから諦めろって。 …俺が好きなのは咲だけだ、咲には何もするなって… もの凄く怒ってたけど。仕方ない」 「…」 「もう、言うぞ…皆に」 「っ…」 「そしたら、校内でお前に近づこうとする男はいなくなるからな。 公認になれば、瑞穂も諦めるしかないだろ」 月島先輩は、咲の肩を持つと、目を合わせた。 「それから。 今、決めた。 お前は自覚が足りない。 咲、心でもカラダでも、俺の”オンナ”であることを覚えろ。 瑞穂みたいなのがこの先現れても、すぐ身を引こうとするな。 『彼女は私』ぐらい言えよ。 あと、ヤキモチぐらい焼け。 …覚悟はいいか?名実ともに俺の”オンナ”になる覚悟」 「…っ」 咲は何も言えず、真っ赤な顔で月島先輩を見つめたーー
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