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だって、すぐ隣で御曹司に仕事ぶりをチェックされ続ける日々が始まるんだ。
私がもしくだらないミスをすれば、それは全部営業部のイメージへと繋がることとなる。
私が失敗すれば、環先輩の指導不足となり、環先輩がせっかく培ってきたものが台無しになるのかもしれない。
それは営業部全体にも言えることだ。
そう構えてしまうと、私は緊張だけが先走ってしまい、うまく須藤さんとコミュニケーションが取れない日々が続いた。
でも、そんな情けない私を見ても須藤さんは注意をすることもせず、穏やかに、そして楽しそうに微笑みかけてくれる。
「彩香さんは気が張りすぎだよ。もっとリラックスしよう。僕のことは昔から知っている人間だと思ってくれたらいい。そうしたら仕事もしやすいだろう?」
「す、すみません……」
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