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昼から須藤さんと新商品を新規店舗に置いてもらうため、販売ツールやディスプレイの提案をしに、各店舗に回らないといけない。
そのための準備を完璧に仕上げるため、私は最終チェックのためお弁当を大急ぎで食べ終えた。
お弁当をかたずけてベンチから立ち上がると、優菜に手を振ってその場を去る。
一人寂しそうにしていた優菜を気の毒に思ったけれど、でも、須藤さんにこれ以上迷惑をかけないためには、忘れ物などの初歩的なミスだけは見逃したくない。
エレベーターでフロアまで上がると、営業部の扉を静かに開ける。
フロアの奥には新商品の販促物の置き場があり、そこに今日必要なものが揃っているのだ。
そこに向かって足を進めると、そこには先客がいて私の足が止まった。
「あっ……」
「あれ、彩香さんどうしたんですか? まだ休憩時間は終わってませんよ」
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