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そこには、私より先に販促物のチェックをしに来た、須藤さんがいた。
その姿はスーツのジャケットを脱いでいるからシャツ一枚の姿で、肘までシャツをめくり上げている。
そんな須藤さんはしゃがんで段ボールの中を開け、一つ一つ丁寧に最終チェックを行っていた。
「須藤さんこそ……あの、お昼は?」
「もう食べましたよ。彩香さんこそ食べてきましたか? 随分と早いようだけど」
「は、はい。さっき、中庭で優菜……堀さんと一緒に」
「あぁ、堀 優菜さんですね。仲がいいですね。お二人は」
「はい……って、そんなことよりも、すみません! 須藤さん一人に任せっぱなしで! 私がしなければいけないのに」
私が慌ててしゃがむと、須藤さんは私の肩に手を置く。
そして目線を合わせると、顔を横に左右に振った。
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