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「僕が勝手にしただけです。すみません、こっちこそお誘いすればよかったですね。気が利かなくて申し訳ないです」
「い、いえ、手伝います……!」
「もう終わりましたから大丈夫ですよ。それに、彩香さんまでしゃがんでは膝が汚れます。こういう仕事は僕に任せてくださいね」
柔らかい口調で須藤さんは私にそう言うと、肩に置いてた手を滑らせて私の右手を握る。
そしてそのまま力を入れて立ち上がらせてくれた。
「汚れる仕事をあなたはしなくていいのですよ」
「そういう訳にはいきません。これも、営業の仕事です」
「いえ、営業は会社の顔です。彩香さんは綺麗なんだから、もっと磨いたらいいとずっと思ってました。僕が保証します。あなたは絶対にこれからもっと綺麗になる」
「なっ……えっ……」
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