●御曹司とティータイム●

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「早く、週末にならないかな」 「そ、その前にお仕事ですよ!」 「もちろん。『アルカンジュ』の営業として、二人でいい成績を残しましょうね」 私の両頬を掴んでいた手は、今度は私の手を取り、しっかりと握る。 ギュッと掴まれたその手はきめ細かな肌ですべすべで、女の私よりずっと綺麗で優しい手をしていた。 手を掴まれた瞬間、きゅんとする私の心臓がおかしいのだと思う。 そんな複雑な心境になりながらも、この日も業務を何とか終えた。
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