●御曹司と初デート●

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身体も心も忙しない平日が終わり、やってきた土曜日。 とうとう須藤さんと数時間だけのデートをする日を迎えてしまった。 この件は親友の優菜にだけは報告済みで、たった一言「玉の輿に乗って来い!」と背中を叩いて送り出されてしまった。 「須藤さんとお出かけだなんて……何を着ていいのかわかんないよ……」 どこに行くのか聞かされていない私は、当日になっても服装に悩んでいた。 須藤さんからは待ち合わせの時間と場所を聞いただけ。 お昼の十二時に私のマンションの最寄り駅の駅前のロータリーで……とだけだ。 「さすがに平日のようなスーツは駄目だよね。もう無難にワンピースでいいか……」 御曹司とデートとなると、どんな格式高いところに連れて行かれるかわからないから、スーツのような服装にしようと思ったけれど、それじゃあいくらなんでもTPOがわかっていない女に思われてしまう。
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