●御曹司と初デート●

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営業職はいつ何時、どんなところにお呼ばれするのかわからないから、女性ファッション誌の特集に載っているようなネイビーのワンピースを一応、買っておいた。 出費は痛いけれど、念のため用意しておいて本当によかった…… メイクは当たり前だけど、『アルカンジュ』で揃えており、その中に須藤さんが開発したアイライナーももちろん手元にある。 メイクボックスからアイライナーを取り、それを凝視する。 「すごいなぁ……私の歳ぐらいにこれを作り上げたんだよね……」 今の私は目の前にある仕事をこなすだけで精一杯の毎日だ。 それなのに須藤さんは経営学を学びながら自社の業務にも携わっている。 そして、次期社長としても期待されているから、平社員の私では計り知れないくらいの仕事量をきっとこなしているのだろう。 「それなのに、貴重な休日を私と過ごしたいだなんて……変わってる人だな……」
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