見初められた私は、御曹司の愛に捕まりました（番外編完結）

●御曹司と初デート●

須藤さんの顔を思い浮かべながら、リキッドアイライナーを目尻に少しだけ乗せる。
ほんの少しでもいいから目を大きく見せるのなら、目尻に長めにアイライナーを引けばいいと優菜から教わったテクニックで、目のメイクを完成させていく。

キラキラと微粒子のラメが輝く目元は、今日一日を楽しみにしている私の瞳の色を映しているみたい。
本心は、須藤さんと二人で出かけられることをワクワクしている自分もいて、正直驚いている。

「でも、期待し過ぎちゃダメよね……須藤さんがいったいどういうつもりで私を誘ったのか、わからないんだから……」

彼が私をガッカリさせることなどないと思う。
でも、期待し過ぎるのも怖い。
ただ、数時間のデートを楽しむだけだ……と自分を言い聞かせて準備を終えると、私は一人で暮らしているワンルームマンションの部屋を出た。