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緊張して出た私の硬い声とは反対に、須藤さんの方は仕事中よりもずっと穏やかで癒される声だ。
「はい。駅前のロータリーにいます」
『あぁ、よかった。僕もちょうど着いたんだ。わかるかな? 黒のBMWなんだけど』
それって須藤さんの車ってことよね……と、スマホを耳に当てながら、周りをキョロキョロと見渡す。
すると、バス停がある少し前に須藤さんが言った、黒のBMWが停まっていた。
「もしかして……バス停の近くのですか?」
『あぁ、それ。それです。悪いけど、ここまで来てくれるかな?』
「は、はい」
やっぱり須藤さんの車だったんだ……! と忙しなく動く心臓の音は、耳の鼓膜にまで響いてくる。
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