●御曹司と初デート●

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「降りようか」 「ここ……お家ばっかりですけど……」 「うん、そうだよ。あっ、安心して。いきなり僕の家に連れて行こうなんて気はまだないからね」 須藤さんの家に行く、なんて想像しただけでおこがましく、そしてなぜか邪な想像が頭いっぱいに広がっていく。 意外と自分がこんな妄想をするなんてことにびっくりして、頬をパチンと叩いて正気を取り戻した。 見えないようにしていたつもりだったけど、そんな私の考えなんかお見通しなのか、須藤さんはクスッと優雅に笑うとシートベルトをを外し、運転席から出る。 私も須藤さんに続いて、助手席を降りた。 「今から行くのはあそこだよ」 須藤さんは様々なデザインの一軒家が建ち並ぶ住宅街の方を指さして流して行くと、角にある建設中のサロンらしき建物で指を止めた。 そして、私に向かって口を開き喋り出す。
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