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「この住宅街にね、ある美容系サロンの一号店をオープンしようかという計画が進んでいるんだ。それがあれさ」
「一号店をオープンって……『アルカンジュ』系列のですか?」
私が目を見開き、開けたままの口を手で覆うと、須藤さんは苦い顔をした。
見当違いな返事をしたと気付き、申し訳ない気持ちが募る。
「うーん、まぁそう言われればそうかな。『アルカンジュ』のメイク商品と、一流の美容師を揃えた美容サロンをオープンさせようと思ってる」
「そんな企画が進んでいるなんて……全然知りませんでした……」
「それは『アルカンジュ』代表の僕の父親が主軸じゃない。息子の僕が代表になってやっていることだから。だから、『アルカンジュ』とはグループ企業ってことになるかな」
ということは、須藤さんは『アルカンジュ』系列の子会社の代表って立場にもなるんだ……
毎日一緒に働いていたのに、そんな仕事までこなしているなんて全く気付かなかった。
「いつからこんなことをしていたんですか?」
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