8354人が本棚に入れています
本棚に追加
鼻を上に向けてクンクンさせて須藤さんに問いかける。
すると、彼はとても驚いた顔をしていた。
私はそんな変な顔をしてたのかと気付くと、慌てて顔を隠す。
「へ、変な顔、してました?! 私……」
「あっ……、いや、違うよ。香りだけで気付くなんて、彩香さん、アロマに詳しいの?」
須藤さんは両手を振り、違うということを表現してくれる。
私はホッとして、照れ笑いをしながら答えた。
「アロマにそこまで詳しくないんですけど、この香りは昔から大好きなんです。だから、この香りのボディクリームとかつい買っちゃいますね」
「そっか……そうなんだ」
そこまで話すと、須藤さんは切なげに微笑んだ後、すぐにパッと明るい笑顔へと変化した。
その不自然な変化が気になり、私は自分がまた変なことを言ってしまったと思った。
だけど、須藤さんの変化があまりにもおかしくて、疑問ばかり生まれてくる。
最初のコメントを投稿しよう!