●御曹司と初デート●

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鼻を上に向けてクンクンさせて須藤さんに問いかける。 すると、彼はとても驚いた顔をしていた。 私はそんな変な顔をしてたのかと気付くと、慌てて顔を隠す。 「へ、変な顔、してました?! 私……」 「あっ……、いや、違うよ。香りだけで気付くなんて、彩香さん、アロマに詳しいの?」 須藤さんは両手を振り、違うということを表現してくれる。 私はホッとして、照れ笑いをしながら答えた。 「アロマにそこまで詳しくないんですけど、この香りは昔から大好きなんです。だから、この香りのボディクリームとかつい買っちゃいますね」 「そっか……そうなんだ」 そこまで話すと、須藤さんは切なげに微笑んだ後、すぐにパッと明るい笑顔へと変化した。 その不自然な変化が気になり、私は自分がまた変なことを言ってしまったと思った。 だけど、須藤さんの変化があまりにもおかしくて、疑問ばかり生まれてくる。
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