You're My Only Shinin' Star.

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 ヨシトの会社は総合スポーツ用品メーカだ。  実のところ、守屋のような来歴の社員はそれほど珍しくはない。ヨシトもインターハイには出ている。しかしさすがにメジャスポーツの全国優勝経験者で、それが縁で取引先の覚えがめでたく、なのに開発部門に異動というのはなかなか聞かない。気がする。  プレゼンの議事録と報告書をまとめながら、ヨシトはなんだか気もそぞろだ。そのまま他の会議やイベントも重なって、気付けばあっという間に数日がたっていた。 「新村さん、議事録案作成しました」  ヨシトが声を掛けると、新村はPCを手に立ち上がるところだった。 「はいはい、じゃあミーティングのあとで… あ、ダメだ、そのあとS社で、直帰したいんだよねえ。明日でいい?」 「や、すみません、明日には社内に回すので今日中に仕上げたいなと…」 「あー、そっかー。じゃあしょうがない、先に守屋君に見てもらって」 「ええっ」  どうせ最終案は見てもらうでしょ、と言いながら、新村は慌ただしく出て行ってしまった。  確かにそれはそうなのだが、他部署の先輩にいきなり確認を頼むのも気が引けた。  しかし、守屋と話す口実が出来たのは正直、好都合で、ヨシトはいそいそと社内チャットアプリで守屋にコンタクトを取ったのだった。
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