927人が本棚に入れています
本棚に追加
/93ページ
「もし土井さんが、そんな疫病神でも構わないと言うのであれば、力になってやろうかと…今は思ってます。
…どうですか?」
彼は言葉を詰まらせた。
明らかに躊躇していた。
無理もない。こちとら、胸張って言える事じゃない。
止めるなら今のうちだし、それならそれでいい。
むしろ願ったり叶ったりだ。
しかし。
そんな私の意に反して、彼は条件を呑んだ。
「…構わない」
「……そうですか」
その夜私たちは、
“明日また会社で” と最初の待ち合わせの駅で別れた。
最初のコメントを投稿しよう!