lesson3 キスのタイミング

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「ああ、それはね。 …こうです」 私は上向きに顔を上げ、目を閉じて唇を突きだす“キス待ち顔”を実践した。 「…とこういう具合に…ん?」   すると、ぱっちり目を見開いた私に、彼の顔がイキナリ近い。 「…ってキサマ、何やっとるかぁ!!!」  -暫くお待ちを- 「…イテテテテ。…狂暴女」 「全く、土井さんがそこまでケダモノだとは思わなかった」 「う…カラダが勝手に…」 ホントにもう、 顔はタイプなんだからさ。 ちょっとクラッときちゃったじゃないか。   顔の熱を下げるため、手団扇で扇ぎつつ、私は説教モードに入った。 「アンタ達の本性がそんなだからこそ、女のコ達は『本当に大事にして貰えるか』を見極めたいんでしょーが」 「ふーん」 気の無い返事だ。ヒヨッコめ。 よーし、それなら… 「では土井さん、テストをしましょう」 「テスト?」 「そう、テスト。 来週の『月イチ晩御飯』の時、あなたが私に、さっきの“チューOK”サインを出せることが出来たら合格。 …もし出来なければ」 私はひとつ間を置くと、悪辣に笑んだ。 彼がゴクリと唾を呑む。 「これ以上のレッスンは無意味。よって、パートナーは解消する!」 「な…なんて横暴な!」
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