lesson3 キスのタイミング

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歯切れの悪い私に、今度は1課の男の子が迫る。土井(かれ)さんの部下の三橋君だ。 「いっやぁ、んな事ないでしょ。 見たし。昨日、中庭でメッチャいちゃいちゃしてたの」 「ゲッ…そんな…み、見えてた?」 「へへ~、丁度ココの窓からこの角度(アングル)で、スポット的に見えるのさ」 彼は、中庭に面した窓側に屈んで見せた。   サイアクだ。 昨日のがまさか見られていたとは… 場所変えよう。 「俺としては、どんどんヤってくれちゃったらいいと思うんだけどな~。 これでもし、あの土居さんがちょっとでも優しくなってくれたら、儲けもんだし」 いや、ナイナイ… 頭の上に二本指でツノを作ってみせる三橋に、周りの皆が諦めのため息を吐く。 「良くないわっ! 万が一優しい土居さんなら、私だって狙うしっ」 フジサワちゃんだけが、ムキになって反撃した。 むう… 何だか気恥ずかしくなってしまい、俯いてしまった私を見て、課長が止めに入ってくれた。 「ホラホラ、もう止め。 君らがギャーギャー言うから町田ちゃんが困ってるじゃないか。 さあ、行った行った。勝負の邪魔!」 皆が面白くもなさそうにゾロゾロ引き上げてゆく。 …そうだ! 私はふと思い立ち、席に戻りかけていた三橋君を呼び止めた。 「あの…! そう言えば係長…サン、今日はどうしたのかな?」    
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