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「これから修学旅行の班を決める」
先生がクラス一同を見渡し告げた。
ああ、厄介なことが始まった。私は憂鬱に首を擡げて黒板を見遣った。
カツカツとチョークを弾く軽快な音が嫌味ったらしい。
6を入れたサークルが4つ並び、最後に5を入れたサークルが2つ。
内訳は、女子3対男子3、女子3対男子2。
ああ、御愁傷様。
ポツリと内心で呟いた。
そして、次に零したセリフは、これは、揉めるな。だった。
どうも先生とは試練を与える人のことを言うらしい。
誰もが楽しみにしている中学生の一大行事、修学旅行。私はそうでもない。
旅行は好きだ。けれど、それは一緒に行く相手によるだろう。
友達となら楽しいでしょう?
答えはNO。
思春期にとっての友達とは、気が置けない友とは言葉通りのことを言うらしい。
人の心が視える私にとって、24時間油断のならない友と一緒にいるということは、もうそれは修行だった。
ああ、そっか。だから『修学旅行』なのか。今にしてようやく納得。
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