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——柊は3を交換しなかった。3が必要ないということは、下段には2以下の強い数字がある可能性が高い。
そして4が三枚とも出ている。つまり3というのは、柊の手札のなかで、最弱の札なのかもしれない。
——もしかすると、3が送られてくるかも。
これは賭けだ。
山茶花は、下段に余った一枚の5をいれた。
「決まりましたか、送り札は」
「はい」
——5は、下段ではかなり弱い札だ。もし5以上の数が送り込まれたら、負ける可能性はかなり高くなる。
しかし、これはゲームだ。ここで可能性に賭けなくて、どうする。
4の札を握って、柊の札と交換した。
ふうと小さく息を吐いて、柊から送られた札を見る。
——そこには3という数字が刻まれていた。
山茶花は静かに、5の札と3の札を交換した。
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