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「では、開きましょう」
手元を隠していた衝立を、柊がすっと退けた。
お互いが並べた八枚の札が、開示される。
正面にある札を、上段から一枚ずつ比べていく。
相手の札は、8、7、8、9。
やはり、8を交換したことで、上段はかなり強い。
山茶花の札は9、6、7、9。
6と7の札は負けてしまった。負けた札は、列から外して置く。同じ数字があった場合はその札もカウントするので、山茶花に残ったのは9と9の札だけだ。
対して柊は、8を除いた3つの札が残っている。
「上段は僕の優勢ですね。運が良かったです」
にこ、と柊が微笑む。
しかし山茶花から見て右端に最強の9を置くあたり、裏をかいてきている。
やはり柊はこのゲームの手練れのようだ。
次は、いよいよ下段を比べていく。
柊の札は2、4、2、1。山茶花が送った4は、ここに組み込まれたか。
対する山茶花の札は、1、3、2、1。
2と4に勝ち、あとは同じ札。
——山茶花の下段は、4枚全てが残った。
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