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放課後になって僕は片桐さんとの約束通り屋上にやってきた。屋上には片桐さんがもう来ていた。片桐さんは僕を見ると、手を振りこっちこっちと言った。僕は片桐さんのところに行った。
僕と片桐さんは二人並んで、手すりに掴まり空を眺めた。空は晴れ渡った青空で雲がところどころに見えるだけだった。
「ねえ、私になにか言いたいことがあるんじゃない」と片桐さんは言った。
僕は自分が片桐さんをデートに誘うのがバレたようで恥ずかしいやら驚いたやらで慌てた。僕は気持ちを落ち着かせて片桐さんに言った。
「片桐さん、明日デートしない?」
「明日学校あるよ?」
僕は困った。そうだ、明日も学校はあるのだ。どうしようか?
すると、片桐さんが少し考えて言った。
「いいよ。明日デートしよう」
「学校はどうするの?」と僕は聞いた。
「サボればいいじゃん」
僕は学校をサボってデートするということを全く考えていなかった。僕も少し考えてから言った。
「それでいいよ。そうしよう」
「じゃあ、明日の何時集合?」
「明日九時、駅前で」
「分かった。駅前に九時ね」
片桐さんはそう言うと、手すりから手を離して僕に向かって言った。
「じゃあね、明日」
片桐さんは一人で屋上から出ていった。僕は一人で手すりに掴まって青い空を眺めた。
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