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創った?私が?
「あなたは記憶と感情を引き換えに幸せな世界になるように願った。残酷な世界で死に逝く友人たちを見て、彼らが幸せな世界で過ごせるようにと」
残酷な世界で友人が……?
友人と言った彼女たちはもう居ないというのだろうか。
だけど私は昼間に友人の一人と話していた。
他の友人とのやりとりも見ている。
私が目覚めた時、側に居てくれた彼女たちが既に居ない?
そんなこと信じられるはずもない。
「ここにいる人たちを見て不思議に思ったことはない?」
その問いかけに私はこの世界でのもう一つの疑問を思い出す。
「学生や子ども、比較的若い人が多いこと……?」
少し考えにくいことだけど、彼女が残酷というのなら、その世界はまさか
「ここに居る私とあなた以外、残酷な世界で亡くなった人達よ」
嘘だと言いたかった。
若い人や子どもがたくさん居なくなったというの?
私は頭を抱えたい気分だ。
信じられない、信じたくない。
そんな世界があったなんて。
頭の中で断片的にその世界でのことが思い出される。
酷いものだった。
この世のものとは思えない物や人と人が殺りあっている。
思い出したくないと思った。
忘れようと思うのだった。
けれど、一つだけ。
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