番外編:コンビニでの話

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番外編:コンビニでの話

コンビニで適当に買い物をしていると「ただいまキャンペーン中で」と説明を受ける。 要は、くじを一回引けるそうだ。 引こうか引くまいか少し悩む。 こういう時、少しばかりずるをしているみたいな気持ちになってしまうのだ。 何か念じるとかそういう事ではない。 誰かに幸運や不幸を押し付けている感じもしないし、我が家の子供大人も「そりゃあ違うな」と言っていたのだけれど、少しだけ引っかかるような気持ち。 抽選箱に手を伸ばして、手の甲にある傷を見られてギョッとされることも無くはないけれど、それよりも。 そう思いながらもいつもの癖の様なもので、手はくじの入った箱に伸びる。 一番上の紙を一枚引く。 圧着されている紙を開くとやはり、ちょっとした菓子が当たっていると書かれていた。 「すぐにお持ちしますね!!」 はきはきと店員は言ってそして手渡されたそれを見る。 俺は多分運がいいってやつなんだろう。 後天的に。 あの子供大人の世話をした一年から先ずっとこうやって何かちょっといい事みたいなものがあると基本的に自分の元に舞い込んできてしまう体質になった。 さすが座敷童様、と思わないでもないけれど、なんだか申し訳ない気持ちになる。 ちらりと見えたレジ横の募金箱そこに小銭をさっと入れる。 彼曰く、「そういうのがいいんだよ」という事だけれど、ずるをしたような気持ちを解決する方法が今のところ見つかっていない。 それにいいのだ。 今日はあの神様に会いに行く日なのだ。 丁度いいお土産が出来た。 こういう感じのチョコと何かが合わさった感じの菓子をあいつは割と好む。 姿かたちは大人になったけれどそういうところは全く変わらない。 そう思いながら小さな原付にまたがる。 あの家に行くために購入したものだ。 冬どうするかについては今のところは考えていない。 冬になった時のことは冬考えればいい。 あの、うちの神様はお土産を渡した時どんな顔をするだろうと思いながらぽつりと建つあの家にむかった。 番外編:コンビニの話 完
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