10-2

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 眩しくて目を細める。  彦三郎の手足が伸びている気がする。  服装も見たことの無い和服の様なものに変わっていく。  少し神社で見たことのある袴に近い気がした。  何が起きたのか分からない。悪霊になってしまったという事だろうか。  まばゆい光は落ち着いたころには手も足も伸び、顔つきも大人びた一人の男の様になっていた。 「大人になってるのか?」  彦三郎は自分の大きくなったであろう手をまじまじと見ていた。  二度、三度握っては開きを繰り返したのち彦三郎は「糞、関節がきしんで痛てえな」と呟く。  くせ毛な髪こそ面影があるが、それ以外はまるで別人の様だ。  そもそも座敷童というのは子供のうちに死んだ霊が妖怪になったんじゃなかったのか?  実際彦三郎だってそう言ってたはずだ。 「アンタ、彦三郎なんだよな?」 「ああ、兄さん」  いつも通りの口調なのに、声変わりをしたのだろうか、音は低い。 「まあ、こんなことはどうでもいい」  彦三郎はそう言って俺に手を伸ばして、腕をつかんで引き寄せる。  それでようやく周りが見える。
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