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彦三郎が何故か目をそらした。
傘も持っていないし周りには勿論コンビニは無い。
いつも見下ろしてた彦三郎を見上げるのは不思議な感覚だ。思わず、一段石段を上がって彦三郎を見下ろす。
これで少しだけだけれどいつも通りだ。
「ちょっとだけ、神格が備わったっぽいんだよな」
彦三郎は今日の天気は晴れですって位、普通の事を言うように告げた。
「は?」
「だから、多分だけどちょっと神様になったって事だな」
何を言っているのかいまいちよく分からない。
そもそも、そういう事は本人が分かるのもなのだろうか。
「カミサマって、あれか?」
「そう、あれだな」
わかっているのか、わかっていないのか知らないけれど普通に彦三郎が答える。
「なんで――」
そんなことになったんだよ。と言う前に彦三郎は視線を逸らした。
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