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樹里side
僕たちは結構ギリギリだったようで、入学式が行われる体育館に入ると、用意されている席はほぼ全て埋まっていた。座席表を確認しながら、
「僕たち結構危なかったね~。露美くんは何組だった?」
そう話しかけながら露美くんの方を振り向くと、露美くんは何故か顔を赤らめて、
「お、俺は3組だった。樹里は、どうなんだよ」
と問われる。
「僕は、2組だったよ。残念、クラス別れちゃったね」
せっかくロミオに会えたのに……とがっかりしていると、
「クラスが別れても、お互いのクラスに行けば良いだろ。昼休みとか、一緒に飯食えば良いじゃねぇか。」
そう言われて、下がっていたテンションが一気に急上昇した。それでも、少し不安で
「お昼、一緒に食べてくれるの!?」
そう首をかしげて聞けば、露美は頬をほんのりと赤く染めて、
「当たり前だろ、俺が嘘つくわけ無いじゃねぇか」
とふわりと微笑み、不意打ちを食らった僕は、顔に急速に熱が集まったのが分かった。
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