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まるで水の中に潜っているみたい
もわんもわん……とした感じ
誰かが呼んでる
『綾ちゃん……きこえる? 咲よ』
ん……?
『綾、咲ちゃんアメリカからきてくれたんだってよ』姉の声だ
咲ちゃん……
『綾、わかるか? 俺だよ。西嶋國男』
西嶋君も……?
『綾、西嶋くん、オリンピックの監督だってよ』
知ってるニュースで見たもの
夢じゃなかった
私は本当に魔法をかけたのだ
二人にキラキラの
魔法の星屑を振りかけたのだ
いや、もしかしたら
飛行機事故や交通事故や
玲子ちゃんの20歳の死…
そっちの方が夢だった……?
分からない
どれが夢でどれが現実か
よく分からない
でももうどっちでもいいや
だって二人は私が望んだとおりに
幸せそうだから
もう十分人生を味わったし
もう私は行くよ
ありがとう、咲ちゃん
ありがとう、西嶋君
玲子ちゃんが待っていてくれるはず
二人は出来るだけ後からおいで
さあゆっくりと蝶の夢でも見ましょうか
自由に羽を広げて羽ばたこう
どこまでも
遠くへ……
遠くへ……
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