第一章 精鋭部隊の劣等兵

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「エドウィン、ちょっとこの部屋借りてもいいかな」 エドウィンは見ていたパソコンを閉じて、部屋に明かりをつけた。 アスコートが扉の前にいた。 「別に構わないが、こんな部屋なら殲滅隊にも似たような部屋があるはずだ。ここにする理由でもあるのかな」 この船アルフレッド号には組織ごとに区域が区切られている。殲滅隊は一番広く、一番狭いのはQUIETだ。広さは人数の関係もあるが、わざわざここまできて、この部屋でやる意味もブラッドは疑問に思っていた。 「そこのブラッド君にようがあってな」 そう言って、ブラッドを指差した。 「わかった。それなら私は出ていこう。ブラッド、終わったら椅子を片付けておけよ。鍵は私が閉めておく」 パソコンからUSBメモリーを抜き取り、スクリーンの横にあった机に置いた。エドウィンはパソコンを持って部屋から出て行く。 部屋を出ようとアスコートの横を通った時、エドウィンはアスコートの肩を叩いた。 「……すまなかった」 小さくかすれそうな声だったが、ブラッドのところまではっきり聞こえる声だった。アスコートは何も言わず頷き、それを見たエドウィンは扉を閉じた。
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